ダチョウ肉の新たな健康効果
近年、食事から得られる栄養素に対する関心が高まっていますが、特に注目されているのが "ダチョウ肉"です。吉野家ホールディングスの100%子会社、株式会社SPEEDIAが発表した研究成果により、ダチョウ肉が持つ健康効果が新たに明らかになりました。これにより、日常生活における疲労軽減や血管老化の防止に寄与する可能性が期待されています。
ダチョウ肉の健康への影響
最近の研究によると、オーストリッチミート(ダチョウ肉)を7日間摂取すると、筋肉の形成や疲労回復に必要な分岐鎖アミノ酸(BCAA)や抗疲労物質であるアンセリン由来のアミノ酸が増加することが確認されました。その結果、ダチョウ肉を食べることで筋肉の働きが助けられ、特に日々の疲労感を軽減する一助となる可能性があります。
さらに、ダチョウ肉のハムとサラダチキンを1週間連続で比較した試験では、血中の総アミノ酸量には大きな違いは見られませんでした。しかし、ダチョウ肉由来のハムを摂取した群は、血中のタウリンが有意に増加し、疲労回復と抗疲労作用があることが示されました。
血液の健全性とダチョウ肉
この研究において興味深いのは、オーストリッチハムを摂取した群が、採血による一時的な状態悪化に対して有意な減少を示さなかった点です。1週間の摂取により、平均赤血球容積が有意に増加し、血液の健康状態を維持する効果があることが示唆されました。血液健康は全身の機能に大きな影響を与えるため、これは非常に重要な成果です。
血管老化防止の可能性
研究の中で、ダチョウ肉の脂溶性成分が血管の透過性を調整する可能性を示す結果も得られました。マウスを用いた実験では、血管透過性亢進因子(VEGF)の作用を抑制し、バリア機能を向上させることが確認されました。また、in vitro試験では、血管内皮細胞において接着領域や細胞骨格の重合が増加し、バリア機能が向上する可能性が示されています。
このように、ダチョウ肉の素材には、疲労回復や抗老化に関する可能性が多く秘められていることがわかります。これらの知見は、ダチョウ肉が健康的な食事に組み込むべき食材であることを示しています。
今後の研究と展望
2023年9月14日、東京農業大学での日本栄養改善学会学術総会で、SPEEDIAの研究者がこれらの成果を発表しました。また、9月19日には一橋講堂で、日本脂質栄養学会において、毛細血管のバリア機能に及ぼす影響についてさらなる議論が行われる予定です。
SPEEDIAは、今後もダチョウ肉をはじめとする新しい畜種の有用性を探求し、肉やオイルだけでなく、骨や羽根、皮を利用した研究も進めていく方針です。ダチョウの全ての部位を活かし、人々の健康と美に役立つ情報を提供し続けるため、国内外のさまざまな研究者と協力していく意向です。
ダチョウ肉は、未来の健康食としての可能性がますます広がっています。健康的なライフスタイルを目指す人々にとって、ダチョウ肉は見逃せない食品と言えるでしょう。