岡山大学がコロナ後遺症の倦怠感に対する臨床研究を開始
岡山大学病院は、令和6年12月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の一つである「倦怠感」に苦しむ患者さんを対象とした臨床研究を始めることを発表しました。
研究の背景と目的
コロナ後遺症において、多くの患者が体のだるさを訴えています。この倦怠感は、日常生活や仕事に影響を及ぼし、患者の生活の質を低下させる要因となっています。これに対策するため、岡山大学病院の総合内科・総合診療科における臨床研究が設計されました。
この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて実施され、その有効性が示されれば、新型コロナウイルス感染後の重要な治療法の確立につながることが期待されています。研究の対象者は、18歳以上で、 COVID-19と診断されてから1カ月から半年が経過した患者です。
研究の内容
本研究では、対象者に対して試験薬(補中益気湯またはプラセボ薬)を1日2~3回、6週間(42日間)服用してもらいます。服用の終了日と、その70日後に再度来院し、診察と各種検査を行います。これにより、倦怠感の軽減やその他の症状の改善についてのデータを収集し、分析します。
研究チームのコメント
研究を主導する徳増一樹准教授は、「倦怠感で苦しんでいる患者が多く、効果的な治療法を確立することは医療の進歩に繋がると考えています」と述べています。また、大塚文男教授は、「新型コロナウイルス感染症の時代が続く中で、後遺症を持つ患者に対する治療薬の研究が進むことを期待しています」と語りました。
今後の展望
この臨床研究は2024年12月から始まり、募集は2026年9月末まで行われます。研究結果が出ることで、コロナ後遺症に苦しむ多くの患者に新たな治療の道が開かれることが期待されます。
新型コロナウイルスは依然として多くの患者に影響を与え続けており、その後遺症に関する理解が深まることは、医療界全体にとっても重要な意義を持つことでしょう。岡山大学の取り組みに注目が集まります。