環境ベンチャー「次の灯」が名古屋拠点を開設
次の灯株式会社(岡山県岡山市本社)は、従来の廃棄物処理の枠組みを劇的に見直し、新たな循環型経済のモデルを提案しています。具体的には、商用車から取り外されるDPFフィルターやSCR触媒などを事業者から直接購入し、それらのリサイクルを行うことで貴重なレアメタルを回収する取り組みを進めています。今年の4月には名古屋拠点を正式に開設し、よりスムーズな物流と営業体制を整えました。
名古屋拠点構築の背景
年間に数十万台の商用車がメンテナンスや廃車処理を迎える中、廃棄されるDPFやSCR触媒にはプラチナやパラジウムなどの希少金属が含まれています。これまでの日本では、専門的な再生技術の不足やコスト面での障壁から、これらの資源が無駄に捨てられてきました。しかし、次の灯はその壁を乗り越え、廃棄された部品を価値ある資源として循環させる仕組みを確立しています。
名古屋は日本の物流の中心地であり、東海、関西、関東の各地域へ迅速に出荷することが可能です。これにより、全国に散在する5,000社以上の取引先へのリードタイムを短縮し、より効率的な営業活動を実現しています。代表取締役の黒川聖馬氏は、「名古屋は単なる支店ではなく、これからのビジネスの中心として機能する」と述べています。
リサイクルバイヤーモデルの実践
次の灯が展開する独自の「リサイクルバイヤーモデル」は、使用済みの商用車部品を直接買い取り、自社工場で洗浄・リサイクルし、再生部品として流通させるものです。このモデルによって、廃棄予定の部品が新たな経済的価値を持って循環する仕組みを構築しています。そして、この取り組みは、国内での希少金属の回収を促進し、さらにはカーボンニュートラル2050の実現に向けた努力ともつながります。
2026年4月の時点で、同社は売上を創業から約14.5倍に成長させ、取引社数も5,000社を超えるとしています。この成果は、廃棄物処理からリサイクルへと事業の焦点を移すことで成し得たものです。
従来モデルとの違い
従来の廃棄モデルでは、使用済み部品は単に廃棄され、新品に交換されるだけです。しかし、次の灯の新しいアプローチでは、これらの部品を洗浄し再生しリビルト品として再流通させることで、全体的なコストを30〜40%削減し、CO₂排出量の削減にもつながっています。希少金属の流出を防ぎつつ、国内での資源自給率向上にも寄与しています。
名古屋拠点開設によって実現する未来
名古屋拠点の開設は、次の灯が目指す循環型経済の中で重要なステップです。同社はこれを活かして海外市場への進出も視野に入れており、ASEAN各国での需要が高まっているリビルト品や回収したプラチナ、パラジウムの国際取引にも注力しています。このように国内のリサイクル工場で回収された資源を国際市場に供給することができれば、地域経済の活性化はもちろんのこと、国際的な資源循環の確立にも寄与することが可能です。
次の灯は、岡山から名古屋、さらには国際市場へのフィードバックを通じて、持続可能な社会を実現するための実行力を備えています。「廃棄か再生か」という問いに対する答えを、次の灯は企業として積み重ねていくのです。地球の資源を循環させ、持続可能な未来を実現するこの取り組みは、私たちが目指すべき方向性を示しています。