進化する障害児家族のための新しい在宅ワーク支援『スモビズ』
埼玉県さいたま市の公益財団法人さいたま市産業創造財団が実施するスタートアップ支援事業、さいたま市アクセラレータープログラム(SCAP)に選ばれたツナグッド。この団体が提供する新たなプログラム『スモビズ』は、医療的ケア児を育てる家庭向けに、在宅での働き方を支援する画期的な取り組みです。医療的ケアを必要とする子どもを持つ母親・不破千也子氏の16年間の介護経験から生まれたこのプログラムは、働くことを諦めていた多くの方々に新たな希望の光をもたらします。
「スモビズ」とは?
『スモビズ』は、2025年10月6日から開始される2つのオンライン講座を中心に構成されています。このプログラムは、障害のあるお子様を育てるご家庭が、自分のペースで「働く準備」を整えるためのものです。特に、以下の2つの講座が開講されます。
- - Instagram運用入門講座:この講座では、Instagramアカウントを活用したビジネススキルの基礎が学べます。画像の編集や投稿デザイン、さらにはAIを活用したキャプション作成まで、在宅で実践的なスキルを習得することを目的としています。
- - 作品販売・オンライン講師入門講座:ハンドメイド作品の販売や、自分の得意を活かしたオンライン講座を開講するためのステップを学びます。この講座を通して、「好きなこと」を仕事に変えるための具体的な方法を身につけることができます。
働きたいのに働けない現実
日本では、医療的ケア児支援法が施行されてから4年が経過しましたが、まだまだ介護をする家庭にとっての“働く壁”は依然として高いものです。ツナグッドが実施した調査によると、医療的ケアを必要とするお子様を持つ家族の約半数が何らかの形で就労中ですが、現状働いていない人の70%以上が「再度働きたい」と希望していることがわかりました。このような状況を乗り越えるための具体的な支援が必要とされています。
スモビズ講座の特徴
『スモビズ』の講座設計には、以下のような特徴があります:
- - 働く準備からスタート:まずは自分自身と向き合い、今の生活環境や家族のサポート体制を見つめ直すことから始まります。スキル習得の前に、心づくりと環境づくりを大切にします。
- - 負担の少ない設計:受講者の体調や介護の状況に配慮したスケジュールを組んでおり、少人数制のオンライン講座で安心して参加ができます。
- - 具体的な成果が得られる:Instagramの投稿作成や商品のページ設定など、具体的なアウトプットを伴い、「できた!」という実感を持つことができます。
代表者からのメッセージ
不破千也子氏は、自身の体験を踏まえ、「働くことは決して諦める必要がない」と語ります。彼女自身、娘の介護をする中でライターとしての道を歩み始め、その経験が今の活動へと繋がっています。スモビズは、そのような彼女の思いを込めたプログラムであり、多くの方に自信を持って働きかける場を提供します。
まずは無料イベントでつながろう
講座スタートに先立ち、『スモビズおしゃべり会』という無料オンラインイベントが開催されます。医療的ケア児を抱える親同士がつながり、共感し合う場としても利用されています。第一回目のイベントには全国から多くの参加者が集まり、互いの経験を兼ね合わせる重要な機会となりました。次回は9月29日と10月20日の2回が予定されています。
まとめ
『スモビズ』は、医療的ケア児を育てる家族のための新たな在宅ワーク支援プログラムとして、その期待が高まっています。自分らしさを失わずに働くことができる社会の実現に向けて、多くの方が共に学び合い、成長していく場となることが期待されています。興味のある方はぜひ、公式サイトをチェックの上、参加を検討してみてください。